徹底分析シリーズ 心臓麻酔ステップアップ:オフポンプ冠動脈バイパス術
オフポンプ vs. オンポンプ—これからの冠動脈バイパス術を考える
山口 聖次郎
1
Shojiro YAMAGUCHI
1
1一宮西病院 心臓血管外科
pp.426-430
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200846
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20世紀末に産声をあげて冠動脈バイパス術の世界を一変させ,後に天皇陛下の手術で一躍,有名になったオフポンプ冠動脈バイパス術(OPCAB)は,その後のメタアナリシスの結果,期待されていたほどのアドバンテージがないといわれ始め,心臓外科医の間でも再検討の必要性がいわれている1)。現状でOPCABが優位なことは,ヘパリン使用量が少ないので出血が少ない点だが,一方で,再血行再建率が高いと指摘され,吻合のクオリティが問われている。これからの冠動脈バイパス術は,OPCABと心停止下のオンポンプバイパス術とのいずれを行っていくべきなのか,日本で論議の的になっているが,その答えはまだ得られていない。
本稿では,オフポンプとオンポンプ,それぞれの特性について心臓外科医の観点から術中の麻酔と併せて述べる。
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