徹底分析シリーズ 心臓麻酔デビューに向けて:人工心肺を使う手術編〈基礎〉
コラム:臨床工学技士からのメッセージ
出羽 仁
1
Hitoshi IZUHA
1
1福島県立医科大学附属病院 臨床工学センター
pp.830-831
発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200655
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「人工心肺を操作する臨床工学技士と麻酔科医は夫婦のような関係であるべきだ」と恩師に言われたことがある。人工心肺中はチーム医療が濃密に実践される特殊な時間帯である1)。人工心肺を用いた非生理的血行動態は手術手技に準じて刻々と変化し,その都度,最適な管理をしなければならない。特に,人工心肺開始時と離脱時は,人工心肺からの還流と,自己心から拍出される血液が混在する時間帯であり,麻酔科医と臨床工学技士が連携し最適な状態を作るためのコミュニケーションが重要となる。さらに人工心肺管理中は混合静脈血酸素飽和度をみながらの還流量調整,血圧コントロール,電解質補正や循環血液量の調整などを行っており,薬物の投与量によってそのバランスは大きく変動するため,麻酔科医と臨床工学技士は常にその時々の状況を互いに把握しておかなければならない。
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