徹底分析シリーズ 心臓麻酔デビューに向けて:人工心肺を使う手術編〈基礎〉
凝固・輸液・輸血管理—心臓麻酔で必要な人工心肺中の血液管理
古本 恭子
1
,
香取 信之
1
Kyoko FURUMOTO
1
,
Nobuyuki KATORI
1
1慶應義塾大学医学部 麻酔学教室
pp.832-839
発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200656
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心臓外科手術の特徴の一つは人工心肺cardiopulmonary bypass(CPB)を使用することである。CPB中は回路の中を血液が環流するため,異物と血液の接触によって凝固系が活性化し,回路内で血液が凝固してしまう。そこで,抗凝固薬の投与が必要となる一方で,CPB離脱後はすみやかな止血のために抗凝固薬の拮抗が必要となる。また,CPB中は血液希釈や凝固因子の消費などによって患者の血液凝固線溶系は大きく変化する。
本稿では「いざ,人工心肺!」の前に必要な血液管理について概説する。
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