徹底分析シリーズ 薬物の投与経路とその効果
チオペンタール—誤った投与経路は,重篤な結果を引き起こす
廣田 和美
1
Kazuyoshi HIROTA
1
1弘前大学大学院医学研究科 麻酔科学講座
pp.230-233
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200518
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チオペンタールは,超短時間作用型のバルビツール酸系静脈注射麻酔薬である。通常,粉末になっており,添付の注射用水を用いて2.5%水溶液に調製する。これは,2.5%以上の濃度ではpHが10.5(10.2〜11.2)と高く,これ以上の濃度にすると,もし血管外に投与した場合は組織の壊死を起こす危険がある1)からである。一般には,全身麻酔の導入薬として用いられることが多い。また,短時間麻酔にも用いられるが,プロポフォールが使用可能となってからは,麻酔導入薬および維持薬としての使用頻度は下がっている。
本稿では,チオペンタールの投与経路と薬物動態について述べる。
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