症例検討 麻酔手技に伴う合併症とその対処
気管挿管後の披裂軟骨脱臼—「先生,このかすれ声,治りますよね?」
山本 夏子
1
,
安部 恭子
1
,
西川 俊昭
1
Natsuko YAMAMOTO
1
,
Kyoko ABE
1
,
Toshiaki NISHIKAWA
1
1秋田大学医学部附属病院 麻酔科
pp.144-147
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200499
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症例
71歳の男性。身長185cm,体重93kg。右肺癌に対して胸腔鏡下右上葉切除術が予定された。全身麻酔導入後に39Fr左用ダブルルーメンチューブを挿管した。挿管はやや困難で,3回目にようやく成功した。術中の経過は順調で,術中にチューブが位置異常を起こすこともなかった。術後の覚醒はすみやかで,問題なく抜管された。翌日,術後回診に麻酔科医が訪れたところ,患者の声が明らかにかすれていることに気づいた。水や食物が少し飲み込みにくいと患者は言う。
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