症例検討 薬をめぐるトラブル<前編>
薬物誤投与や過量投与の実態と予防策—安全な手術室環境を構築するための取り組み
梶谷 美砂
1
,
津崎 晃一
2
Misa KAJITANI
1
,
Koichi TSUZAKI
2
1川崎幸病院 麻酔科
2日本鋼管病院・こうかんクリニック
pp.98-102
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200489
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薬物投与にまつわるトラブルは,投薬過誤medication errorあるいは薬物過誤drug errorと称される。このトラブルは,麻酔関連領域においても一般に生じていると考えられるが,重篤な結果に至る例は比較的まれである。しかし,麻酔科医が用いる薬物は,静脈内や硬膜外腔,くも膜下腔に投与されることが多く,劇薬・毒薬に指定されている薬物が大部分を占めることから,その実態解析と引き続く予防策の立案が重要であることは言うまでもない。
本稿では主に,予防策に重点を置いた実例を紹介する。
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