徹底分析シリーズ 患者安全 基本の「き」
薬の準備から後始末まで—麻酔中の誤薬・誤投与
山崎 花衣
1
,
鈴木 利保
1
Kai YAMAZAKI
1
,
Toshiyasu SUZUKI
1
1東海大学医学部外科学系 麻酔科
pp.336-342
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200173
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『To Err is Human.-人は誰でも間違える』1)の総論は,「人は誰でも間違える。しかし間違いを防ぐことはできる」と始まる。近年,誤薬・誤投与などの薬物エラーによる医療事故の報告が相次ぎ,死亡例や重度の障害を残す例もある。当院でも,2000年に経管栄養剤を末梢静脈から誤投与して患者を死亡させてしまう医療事故が起きた。患者家族は言うまでもないが,関連した当事者たちの精神的負担も計り知れないものであった。手術室における麻酔科医は,使用する薬物も多岐にわたり,常に薬物エラーの危険に曝されている。さらに,使用する薬物によっては,そのエラーは多大な影響を及ぼす。“誰でも間違える”ならば,その間違いを防ぐためにはどんな対策が必要なのだろうか?
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