汝自身を知れ

久しぶりに映画「プラトーン」を観ました。アメリカを倒したくらいなので，ベトナムが中国と戦えば勝つかもといった率直な感想はさておき，戦場の狂気そのものの部隊長とアメリカの良心を失わない部隊長の間で揺れる主人公は，最後に前者の部隊長に銃弾を見舞うわけですが，「敵は自分自身にあった」というメッセージは今でも新鮮に私の心に響きました。

　さて，「存立危機事態」なる聞き慣れない言葉が今，国会で盛んに議論されています。わが国の存在が脅かされる危機的な事態が起こったときに向けた法的な整備のようです。安倍総理大臣によれば，日本から遠く離れたホルムズ海峡の有事がそれに相当するとのことですが，中国の「侵略」なども想定しているように思え，平和ボケしている日本には久しくなかった論点を言い表している，とても「素敵な」文言だと思います。