症例検討 よくあるトラブルを乗り越えよう 3
腹部大動脈瘤手術中に尿が出なくなった(輸液は十分にしている)—血行動態を安定させて利尿を期待する
宮田 和人
1
,
重松 明香
1
Kazuto MIYATA
1
,
Asuka SHIGEMATSU
1
1ニューハート・ワタナベ国際病院 麻酔科
pp.394-396
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200194
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症例
75歳の男性。身長165cm,体重50kg。腹部大動脈瘤により,腎動脈下人工血管置換術が予定された。既往歴は狭心症,高血圧,脂質異常症,糖尿病。術前の内服薬は,カルシウム拮抗薬,スタチン,スルホニル尿素薬,ニコランジルであった。術前の血液データは,ヘモグロビン(Hb)10.5g/dL,クレアチニン(Cre)2.1mg/dL〔推定糸球体濾過量(eGFR)25mL/min/1.73m2〕であった。術前の心電図では,完全右脚ブロック,洞調律が認められた。経胸壁心臓超音波検査では,局所壁運動異常なし,左室駆出率60%で,軽度僧帽弁逆流はあるが,そのほかの弁疾患はなかった。
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