境界領域 転科のタイミング
腹部大動脈瘤
安田 慶秀
1
,
田辺 達三
1
Keishu Yasuda
1
,
Tatsuzo Tanabe
1
1北海道大学医学部・第2外科
pp.2728-2733
発行日 1984年12月10日
Published Date 1984/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219548
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高齢化社会の進展,生活様式の欧米化とともに,本邦においても動脈硬化に起因する疾患が増加しており,日常診療上腹部大動脈瘤をみる機会も多くなってきている.
腹部大動脈瘤は動脈瘤の中で最も多く,放置すれば次第に拡大伸展をきたし,ついには破裂出血で死亡する予後不良な疾患であり,外科療法のみが本症に対する唯一根本的な治療法である.1951年Dubostら1)は動脈硬化による腹部大動脈瘤に対し,瘤の切除とグラフトによる置換術を行うことにはじめて成功したが,今日ではこれが本症に対する基本術式となっており,本邦においても広く行われている.本論文では腹部大動脈瘤の現況を述べ,積極的な外科療法の必要性について述べる.
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