症例検討 よくあるトラブルを乗り越えよう 2
硬膜外麻酔の体位がうまくとれない—看護師へどう指導する?患者にどう説明する?
新福 玄二
1
,
恒吉 勇男
1
SHINPUKU,Genji
1
,
TSUNEYOSHI,Isao
1
1宮崎大学医学部 麻酔生体管理学教室
pp.260-263
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200153
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症例
65歳の男性。身長165cm,体重70kg。S状結腸癌に対し,腹腔鏡下S状結腸切除術が予定された。麻酔は,全身麻酔と硬膜外麻酔が計画された。
前日の術前診察では,患者は初めての手術に緊張している様子であり,当日,手術室入室時の表情も険しかった。左側臥位で硬膜外麻酔を施行し始めたが,体位の介助は新人看護師が行った。局所麻酔開始時から,患者は痛みと緊張のため,背中を後屈して安静にすることが困難であり,穿刺椎間を変更したり,体位を取り直しても硬膜外麻酔は成功しなかった。この時点で穿刺開始から約15分が経過していた。
患者はさらに表情が険しくなり,外科スタッフは全員でこちらの手技をじっとみている。介助する看護師は,これ以上患者が動かないように一生懸命支えているようだ。
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