症例検討 よくあるトラブルを乗り越えよう 1
手術予定が早まり,家族が到着する前に手術を始める必要がある
清水 喜徳
1
Yoshinori SHIMIZU
1
1埼玉石心会病院 外科
pp.168-169
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200130
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予定手術の場合,その日の1件目の手術であれば,予定された手術開始時間が変わることはまずない。しかし,2件目以降の手術では,それまでの予定手術所要時間から開始時間を予測することになる。したがって,手術の進捗状況によっては,その後の手術の開始時間が大きく前後する。このため,通常は手術開始時間をtime free(on call)とするのが一般的である。
手術当日になって,前の手術が患者の発熱などの理由で突然中止となることがある。その場合,以降の手術は順次繰り上げられ,開始時間が早まるのはどの施設でも同じであろう。手術の開始を不安な思いで待っているであろう患者や家族にとっては,早く手術を施行してもらえるので,よいことのように思われる。しかし,それは医療者側の思い込みであり,患者,家族にとっては必ずしもそうとはかぎらない。
はて,その理由は?と思われている読者に,以前,私が経験した事例を紹介してその答えとしたい。
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