アンケート
我が病院の特徴(到着順)
高島 重孝
1
,
武藤 多作
2
,
吉村 英一
3
1国立駿河療養所
2松江赤十字病院
3国立療養所紫香楽園
pp.20
発行日 1953年5月1日
Published Date 1953/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200641
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駿河は未完成の療養所で,未完成であることが特色である。昭和20年が開所で以後8ヵ年間職員と入所者とは協力して駿河を建設したわけです。元来療養所は一般病院と異り,入所者の生活が療養のうちの大きな部分を占める。生活が愉快でないと,療養はうまくゆかない。所長以下職員と患者とが対立,抗争するような事では,病院は全快する筈がない。我が駿河は終戦時の混乱時代,未完成の施設を徐々に,或る時は喧嘩もしながら建設した事が倖いとなり,一種の気風が出来上つた。此の気風を私は駿河の特色として自慢したい。近頃見舞に来て下さる人々曰く駿河はなんとなく明るい」と。未完成ながらなんとなく明るい気風が出来上つたのは,硝子のない窓から吹き込む箱根山の雨や,富士おろしの風を凌いで,駿河に生き抜いた入所者が作り上げた気風だと自慢もし又自慢できることを有難いと思つている。
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