Japanese
English
症例報告
骨髄異形成症候群の合併により進行が早まったと考えた頭部血管肉腫の1例
A case of angiosarcoma of the scalp,which coincided with myelodysplastic syndrome and got dramatically exacerbated during the course
小野 さち子
1
,
石川 牧子
2
,
谷崎 英昭
1
,
松村 由美
1
,
谷岡 未樹
1
,
宮地 良樹
1
Sachiko ONO
1
,
Makiko ISHIKAWA
2
,
Hideaki TANIZAKI
1
,
Yumi MATSUMURA
1
,
Miki TANIOKA
1
,
Yoshiki MIYACHI
1
1京都大学大学院医学研究科皮膚科学
2京都桂病院皮膚科
1Department of Dermatology,Kyoto University Graduate School of Medicine,Kyoto,Japan
2Division of Dermatology,Kyoto Katsura Hospital,Kyoto,Japan
キーワード:
頭部血管肉腫
,
肺転移
,
骨髄異形成症候群
Keyword:
頭部血管肉腫
,
肺転移
,
骨髄異形成症候群
pp.63-67
発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103153
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要約 73歳,男性.頭部血管肉腫と骨髄異形成症候群と思われる汎血球減少の合併を認めた.血球減少が予測されたため化学療法施行を断念し,局所放射線治療とフェノールによる止血療法を施行したが,発症より約6か月後に急激な血球減少の増悪と頭部血管肉腫の肺転移による呼吸不全により死亡した.骨髄異形成症候群における制御性T細胞の増加が頭部血管肉腫の発症・急激な増大に関与した可能性について考案した.また,頭部血管肉腫において肺転移は重要な予後規定因子であり,本症例も最終的に肺転移で死亡したが,その非特異的な胸部CT所見より末期に至るまで肺転移はないものと判断していた.頭部血管肉腫における肺転移像が非特異的となりうることを改めて認識し,早期診断の必要性を示唆する1例と考えた.
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