特集2 ERスタンダード 外傷—非外傷医でも,ここまで迫れる! ここまでできる!
【Part 1】総論
3.非外科医のコンピテンシーと外傷全身管理—外科医到着前にやっておくこと,到着後にできること
安松 比呂志
1
Hiroshi YASUMATSU
1
1日本医科大学千葉北総病院 救命救急センター/ショック・外傷センター
pp.412-422
発行日 2024年1月25日
Published Date 2024/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3105200108
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重症外傷患者,特に止血術を必要とするような患者は,スーパー外科医が1人いても救命は困難である。外傷診療はチーム医療であり,非外科医の役割は重要である。しかし実際には,手術の決断や手術が始まってしまうと,外科医や麻酔科医によろしくと手を放してしまったり,自身は外科医ではないので,外傷診療にどう参加したらよいのかがわからない人も多いであろう。
本稿では,非外科医が外傷診療に参加すること,そのために必要な知識・技術,実践的な外傷全身管理について4つのQ&Aを通して考える。エビデンスに乏しいものもあるが,外傷外科医として,非外科医とともに重症外傷診療を日々行っている筆者の経験に基づいた考えも述べていく。なお,ドクターヘリやドクターカーなど,病院前診療のシステムをもっている病院も増えているが,本稿では病院前診療は考えないこととする。
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