臨床生理検査と技術 わだい
睡眠時の無呼吸症
岡田 保
1
1名古屋大学医療技術短期大学部
pp.486
発行日 1987年4月15日
Published Date 1987/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204083
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無呼吸とは,10秒以上鼻および口の換気が停止することであり,健康人においても一夜に10回以内ならば認めることがある.しかし7時間の夜間睡眠中にノンレム期にも無呼吸が認められ,その数が30回以上のものは病的とみなされ,睡眠時無呼吸症候群と呼ばれる.
その主症状は昼間の睡眠過剰症と夜間の不眠症であるが,慢性重症化した場合は,高血圧症,右心不全,不整脈,肺胞低換気などの呼吸循環系の障害をきたすほか,知的能力の障害,抑うつと不安,性格変化,行動の異常などの精神科領域の障害を伴うことがあり,ひいては突然死の原因疾患の一つと考えられている.本症候群の確定診断のためには,呼吸モニターを含むポリソムノグラフィ(終夜睡眠ポリグラフィ)が必要とされる.
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