症例検討 産科出血は怖くない!(前編)
経腟分娩後の遺残胎盤―循環動態を的確にとらえ,優先すべき処置を見きわめる
水田 菜々子
1
MIZUTA,Nanako
1
1国立成育医療研究センター 麻酔科
pp.576-580
発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101102149
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症例
37歳(0経妊0経産)。身長162cm,体重53kg。妊娠41週1日。15時に児を娩出したが,児の娩出から30分が経過した時点で胎盤が娩出しておらず,出血が続いており,胎盤用手剝離の麻酔管理が依頼された。分娩開始時の血液検査ではヘモグロビン値10.1g/dL,血小板数18万/mm3で,凝固機能検査も正常範囲内,手術申し込み時の血圧は96/52mmHg,心拍数104bpmであった。食事は朝食のみで,分娩経過中は少量の飲水のみ。35歳時に腹腔鏡下の子宮筋腫核出術を受けている。
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