Urological Letter・564
TURのもう一つの症候群
pp.220
発行日 1990年3月20日
Published Date 1990/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900038
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1987年5月に,著者は右手の尺骨神経領域に一時的しびれとひりひりする痛みを感じた。この症状はくり返し起こり,本を読んでいる間,机に肘や前膊をついていると,あるいは患者さんの診察中,内視鏡検査,TURPを行っている時などに増悪することに気がついた。神経学的検査で筋電図からは前腕や肘の神経がやられているわけではないが,頸部のX線で,軽度の関節炎のあることがわかり,CTスキャンでは,C5-6-7の脊椎管内に骨の増殖による狭窄のあることがわかった。
この問題について以前の同僚のDr.J.M.Bairdに話したところ,驚いたことに,彼もまた,左の示指の感覚を喪失した経験があるとのことだった。これはTURPの終わりに,肛門内に左示指を突込んで仕上げをすることに関係するものと思われる。
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