徹底分析シリーズ 冠攣縮
コラム:救急医からみた冠攣縮―看過できない突然死の原因だが予後改善の余地はある
西村 祥一
1
,
古谷 良輔
1
Yoshikazu NISHIMURA
1
,
Ryosuke FURUYA
1
1国立病院機構横浜医療センター 救急科
pp.760-763
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101891
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麻酔科医の活躍するフィールドは手術室のみならず,ペインクリニックや緩和医療,救急,集中治療などの多岐にわたり,いずれも心肺停止に遭遇する可能性は高い。蘇生ガイドラインがG2010へと改訂され1),その指導,学習に当たっている読者も多いだろう。さらに蘇生ガイドラインに沿ったトレーニングコース(AHA-ACLS)の受講が,日本麻酔科学会専門医取得の要件になった現在,心肺停止症例は麻酔科医にとって,より身近な存在になったと言える。
院外での(心臓)突然死患者は通常,近隣の救命救急センターに救急搬送されるが,そのなかには,多くの虚血性心疾患患者が含まれている。虚血性心疾患は,近年,急性冠症候群として認識されており,心筋梗塞はもちろんのこと,冠攣縮が病因である患者も少なくないと考えられる。
本稿では,突然死における冠攣縮の位置付けについて,救急医の視点から述べる。
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