徹底分析シリーズ 静脈血栓塞栓症
肺血栓塞栓症の治療法―術中・術直後に発生した場合の対処
中村 真潮
1
Mashio NAKAMURA
1
1三重大学大学院医学系研究科 臨床心血管病解析学講座
pp.564-568
発行日 2013年6月1日
Published Date 2013/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101844
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肺血栓塞栓症pulmonary thromboembolism(PTE)治療の中心は,薬物的抗血栓療法であり,その最大の合併症は出血である。一方,PTEは,出血性合併症のリスクが高い周術期に多く発生する。よって,その治療にガイドラインに沿った治療法を当てはめるのは難しく,難渋することが多い。非薬物的な種々の方法を組み合わせ,薬物的抗血栓療法が施行できる時期につなげる治療を行うためには,手術施行側とPTE治療側との十分なコミュニケーションが不可欠となる。したがって,両者の立場を理解し得る麻酔科医の役割に,大きな期待が寄せられる。
本稿では,術中や術直後に発症したPTE治療のポイントや,非薬物的治療法について解説する。なお,術前のPTEへの対応については,他稿に譲る。
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