徹底分析シリーズ 静脈血栓塞栓症
戦う前に敵を知ろう:頻度とリスクについて―人種間の差異も踏まえ,予防ガイドラインは適切に利用せよ
黒岩 政之
1
Masayuki KUROIWA
1
1北里大学医学部 救命救急医学
pp.528-534
発行日 2013年6月1日
Published Date 2013/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101838
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手術侵襲や術中の体位,あるいは麻酔による不動,術後の臥床など,“周術期”は,それだけで静脈血栓塞栓症venous thromboembolism(VTE)の発症リスクとなる。われわれの普段の生活に比べ,手術という医療行為が介在した場合,VTEの発症リスクは,なんと22倍以上も跳ね上がる1)。さらに悪性腫瘍や高齢,肥満といった個人のリスク因子が加わると,発症リスクがより高まることは,容易に理解できるであろう。そこで本稿では,周術期VTEの現状,ハイリスクグループ,およびガイドラインの利用法について述べる。
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