徹底分析シリーズ 周術期の凝固・線溶系の管理
周術期の抗凝固療法―ワルファリンとポストワルファリン時代における管理
射場 敏明
1
,
永山 正隆
1
Toshiaki IBA
1
,
Masataka NAGAYAMA
1
1順天堂大学医学部 救急・災害医学
pp.248-251
発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101771
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静脈血栓塞栓症や,脳・心血管疾患,心房細動,人工弁置換後など,血栓が関係する疾患の症例数は年々増加している。これに伴い,予防的抗血小板療法や抗凝固療法の実施率も増加しているが,このような治療には出血性有害事象がつきものであるため,周術期の管理については特に注意が必要である。
抗凝固療法に関する公式な指針としては,2009年に改訂された,日本循環器学会が中心となって作成した「循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン」1),2012年に改訂された,日本消化器内視鏡学会をはじめとする関連学会がまとめた「抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン」2),血栓止血学会が中心となった「肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓塞栓症)予防ガイドライン」3)などがあるので,周術期の抗凝固療法においても参考とすることができる。
本稿ではまず,周術期における脳梗塞の予防を目的とした抗凝固療法について述べる。次に,静脈血栓塞栓症の予防を目的とした抗凝固療法について解説し,さらに各抗凝固薬を紹介する。
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