特集 血栓症と血小板凝固線溶系検査
血栓症治療薬とモニター検査
3.ワルファリン
中川 雅夫
1
Masao NAKAGAWA
1
1京都府立医科大学第二内科学教室
pp.283-286
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903149
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はじめに
近年,血栓性疾患の増加に伴い,抗血栓療法が注目を集めている.また,血栓症のみならず種々の疾患の病態形成にも血液凝固の関与が指摘されており,血栓症治療薬に関心が払われている.こうした中で新しい血栓症治療薬の開発も進められている.ワルファリンは古くから用いられている経口抗凝固薬であるが,本剤の主たる薬理作用が血液凝固機序の阻害にあるところから,投薬によって患者の血液凝固能の低下や易出血性がもたらされる.したがって,ワルファリンの投与時には副作用としての出血傾向がもたらされる可能性がある.それゆえ,本剤の臨床応用にあたっては本剤の作用機序に関する理解を深めるとともに,患者の病態を厳重に管理する必要がある.
本稿ではワルファリンの薬理作用と出血副作用を防止する目的で行うモニター検査について概説することにする.
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