徹底分析シリーズ デスフルラン2
デスフルランの恩恵は多方面におよぶ―ICUのない病院でその導入効果は非常に大きい
伊藤 博隆
1
Hirotaka ITO
1
1名鉄病院 麻酔科
pp.124-133
発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101744
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
私とデスフルランとの出会いは,1998年夏の横須賀米海軍病院手術室にまで遡る。当時,米海軍の麻酔看護師が腹腔鏡下胆囊摘出術で使用していたのを間近で見たのが最初である。そしてついに2011年,買い渋る事務側を説得して,専用の気化器を1台購入し,運良く1台だけ導入されていたFabiusⓇ GSと,デスフルラン濃度表示が可能なモニターにより,15年来の再会が叶った。気化器の色が青だったせいか,紺碧の海岸と潮風の香り漂う懐かしい横須賀に帰ってきた感覚が蘇り,嬉しかった。
緊急を含めて年間手術件数は2000件以上,その約半分の麻酔管理を1名の常勤麻酔科医が行い,多いときは同時に5列並列麻酔管理するという(良い子はマネしてはいけません),ICUをもたない民間病院の手術室に,デスフルランが導入されたインパクトは非常に大きなものだった。その恩恵を受けた代表的な症例を,率直な感想・疑問などを交えて列記する。
Copyright © 2013, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.