連載 在宅ケア もっとやさしく、もっと自由に!・109
元気だったのに、なぜこんなに早く
秋山 正子
1,2
1株式会社ケアーズ 白十字訪問看護ステーション・白十字ヘルパーステーション
2マギーズ東京
pp.752-753
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201027
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ダブルキャンサー(原発の違う2か所のがんを発症)の方のご家族から相談が入ったものの、即座の対応が間に合わず、その翌日に亡くなってしまう経験をしました。その後、ご家族の話をじっくりと伺うと、医療機関のなかで行なわれていること、医療機関同士の間での連携の困難さや、医療者と本人や家族との認識のズレが垣間見えます。
そのなかで気になったのは、「最大の努力」が割かれていた院内のキャンサーボードについてです。病院側の努力はよくわかるのですが、その話し合いに本人の思いが見えないように感じました。これでは、家族の「元気だったのに、なぜこんなに早く」という悔いが滲んだつぶやきへの応答も難しいものになるのではないでしょうか。
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