徹底分析シリーズ これからの末梢神経ブロック
神経障害発生時の対応―まずは神経障害の鑑別と原因の同定を
中本 達夫
1
Tatsuo NAKAMOTO
1
1大阪労災病院 麻酔科
pp.686-690
発行日 2012年7月1日
Published Date 2012/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101569
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近年,普及が著しい超音波ガイド下神経ブロック(USPNB)だが,ブロックに伴って起こり得る合併症について,患者にきちんと説明しているだろうか。説明しているなら,どのようなことを説明しているだろうか。出血,局所麻酔薬中毒,気胸,感染,神経障害…。
説明する以上,患者は何かしらの合併症が起こったら,当然ちゃんと必要な対応がされることを期待している。では,神経ブロック後に神経障害が起こったとしたら,どのように対応するのか。また,患者への説明はどのようにするべきだろうか。さらに言えば,神経障害はどうすれば予防できるのだろうか。
本稿は,人工膝関節置換術を受ける患者に,術後鎮痛目的で坐骨神経ブロック膝窩アプローチを実施した後に,総腓骨神経の麻痺症状が出現した場合を想定し,神経障害の原因の鑑別診断,必要な検査,治療や患者対応について考察する。
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