徹底分析シリーズ 麻酔に役立つ血糖のお話
―最近の糖尿病の診断と治療―HbA1Cを用いた新診断基準と新規治療薬インクレチン関連薬
津田 晶子
1
TSUDA, Akiko
1
1木戸病院 糖尿病内科
pp.1162-1168
発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101395
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2010年,糖尿病治療分野には大きな動きがあった。増加を続ける糖尿病患者に対して,日本糖尿病学会は糖尿病の診断基準を改訂し1),5年間のアクションプラン「DREAMS」をまとめた。さらに,新しい機序の薬物であるインクレチン関連薬の発売があり,2型糖尿病患者の血糖コントロールは大きく改善した。
DREAMSとは,「糖尿病の早期診断・早期治療体制の構築(diagnosis and care)」,「研究の推進と人材の育成(research to cure)」,「エビデンスの構築と普及(evidence for optimum care)」「国際連携(alliance for diabetes)」「予防プログラムの指導(mentoring program for prevention)」,「糖尿病の抑制(stop the DM)」の頭文字を取って名づけられ,多面的に糖尿病克服に取り組む行動計画である。
さらに,糖尿病の診断基準に新たにHbA1C値が取り入れられ,「糖尿病の早期診断」を簡便にし,「早期治療」に結び付けることがより容易になった。
本稿では,これらの大きな変化を概説する。
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