特集 新規糖尿病薬は心血管イベントの抑制にどうかかわるか
識る インクレチン関連薬によるグルカゴンの新展開 グルカゴン・ルネッサンスとは
河盛 段
1
1大阪大学 大学院医学系研究科内分泌・代謝内科学
キーワード:
Glucagon
,
Insulin
,
ラジオイムノアッセイ
,
シグナルトランスダクション
,
エネルギー代謝
,
血糖
,
糖尿病
,
分泌量
,
グルカゴン分泌細胞
,
インスリン分泌細胞
,
Sodium-Glucose Transporter 2
,
Incretins
,
Dipeptidyl-Peptidase IV Inhibitors
Keyword:
Blood Glucose
,
Diabetes Mellitus
,
Energy Metabolism
,
Glucagon
,
Insulin
,
Radioimmunoassay
,
Secretory Rate
,
Signal Transduction
,
Glucagon-Secreting Cells
,
Insulin-Secreting Cells
,
Sodium-Glucose Transporter 2
,
Incretins
,
Dipeptidyl-Peptidase IV Inhibitors
pp.844-850
発行日 2017年8月9日
Published Date 2017/8/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017390472
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糖尿病におけるグルカゴンの重要性 グルカゴンは肝糖放出を促進して血糖上昇をもたらす作用などより,インスリンと並び生体の血糖維持機構において中心的な位置を占めている。すなわち,血糖をはじめとする生体内のエネルギー平衡はインスリンのみならず,このグルカゴンとインスリンの全身での作用バランスにより維持されているといえる。一方で,糖尿病においてはインスリンの分泌もしくはその作用が不十分であるのみならず,グルカゴンの高血糖時の過剰と低血糖時の不足という分泌調節異常が認められ,この両者が相まって血糖恒常性の破綻という病態を惹起していると考えられる1)。すなわち,今後の糖尿病治療を考えるうえでα細胞機能の適切化はきわめて重要な問題となってくるといえ,その理解が必須である。
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