技術講座 生化学
糖尿病の新しい診断基準とHbA1c,およびその標準化
富永 真琴
1
,
梅本 雅夫
2
1山形大学医学部臨床検査医学講座
2(財)福祉・医療技術振興会スタンダードレファレンスセンター
pp.415-420
発行日 2001年5月1日
Published Date 2001/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905795
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新しい知見
1999年に日本糖尿病学会(JDS)は糖尿病の新しい診断基準を公表した.従来,日本では1985年のWHOの診断墓準と1982年のJDSの診断基準の2本立ての運用がなされていたが,その矛盾が解消された.今回のJDS診断基準には補助指標ではあるがHbA1cが初めて採用された.JDSの「グリコヘモグロビンの標準化に関する委員会」(島委員会)によるHbA1cの標準化が達成されているからである.しかし,島委員会の標準化には科学的裏付けがないという決定的弱点がある.現在,化学量論的なHbA1c測定が試みられており,これに基づいた世界的なHbAA1cの標準化が模索されている.
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