症例検討 硬膜外麻酔・鎮痛の合併症
―硬膜外血腫の診断と対処法―危険性の高い症例では特に予防と早期発見を! 監視方法の統一が必要
土井 克史
1
DOI, Katsushi
1
1埼玉医科大学病院 麻酔科
pp.926-929
発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101343
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症例
67歳の女性。身長148cm,体重52kg。右変形性膝関節症に対して,膝関節全置換術が予定された。膝関節痛に対して非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を頻繁に使用しているほかは,特記すべきことはない。硬膜外カテーテルをL2/3から挿入したが,血液の逆流が認められた。L3/4から再度穿刺し,カテーテルを4cm頭側に向かって挿入した。試験量投与後,0.375%ロピバカインを合計10mL投与した。麻酔導入を行い,ラリンジアルマスクを挿入した。手術は2時間45分で終了した。術後鎮痛のために0.2%ロピバカイン・フェンタニル混合液の持続硬膜外投与を行った。覚醒は良好であった。背部痛を訴えたが,穿刺によるものと判断され,病棟に帰室した。手術3時間後,背部痛が強いうえ両下肢が動かないと,手術室に連絡があった。
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