症例検討 硬膜外麻酔・鎮痛の合併症
―硬膜外鎮痛における局所麻酔薬,オピオイドの投与法―薬物の利点を生かしつつ副作用は最少に
紫藤 明美
1
,
齊藤 洋司
1
SHIDO, Akemi
1
,
SAITO, Yoji
1
1島根大学医学部 麻酔科学講座
pp.904-908
発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101339
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
硬膜外麻酔・鎮痛法は,近年,周術期抗凝固療法の機会増加に伴い,その使用法に制限が加えられてきている。しかし,オピオイドの静脈内投与などに比べ,有意に優れた術後鎮痛効果を示すため1),周術期鎮痛法のゴールドスタンダードであることに変わりはない。
硬膜外鎮痛法とは単純な一つの手段ではなく,硬膜外腔に鎮痛薬を投与して鎮痛を図る方法の総称である。投与する薬物の種類や投与法が異なれば,もたらされる鎮痛効果と副作用も異なってくる。
本稿では,硬膜外腔に投与される代表的な薬物である局所麻酔薬とオピオイド鎮痛薬について,それぞれの特徴を理解したうえで,優れた鎮痛を得るための効果的な投与法について述べる。硬膜外穿刺法およびカテーテル管理法などについては,適切な管理下にあることを前提にするので,これらの詳細については他書を参照されたい。また,投与薬物の薬理学的基礎知識についても,詳細は他書にゆだねる。
Copyright © 2011, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.