症例検討 気道トラブル
気管チューブの閉塞―最悪の事態を避ける対応が優先普段のシミュレーションがモノをいう
萬 知子
1
,
鵜澤 康二
1
YOROZU, Tomoko
1
,
UZAWA, Koji
1
1杏林大学医学部 麻酔科学教室
pp.728-732
発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101295
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症例
8歳の男児。身長136cm, 体重25kg。交通事故で,脳挫傷,脾臓損傷を含めた腹部内臓損傷を受けた。全身麻酔下で脾摘出術を行ったが閉腹できなかった。意識状態と酸素化が不良なため,術後も気管挿管とし,人工呼吸を行った。気管チューブはカフ付きの内径6mmを用いていた。気道分泌物が多かった。3日後に閉腹のために手術室へ移送された。
吸入酸素分画(FIO2)0.50,1回換気量250mL,換気回数16回/min,呼気終末陽圧5cmH2Oと,集中治療室での人工呼吸器と同様の設定にした。最高気道内圧は集中治療室では24cmH2Oであったが,手術室では30cmH2Oであった。SpO2は99%から95%へと低下した。
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