徹底分析シリーズ Rapid Response System(RRS)
日本の院内急変対応の現状とこれから―円滑な導入には客観的基準がカギ
中 敏夫
1
NAKA, Toshio
1
1和歌山県立医科大学 救急・集中治療部
pp.660-665
発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101280
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病院内で心肺停止(CPA)などの急変事例が生じた場合に,院内で手の空いている医師を招集する緊急通報システムは,日本の多くの病院で導入されている。このシステムは,CPR call, Urgent call, Emergency call, Code blue, Dr.Hurry, Dr.White, などさまざまな呼び方がある。
一方で欧米では,上記のシステムに加えて専門の急変対応チームをあらかじめ組織し,CPAはもちろんのこと,CPAでなくとも,重症化を予見させる一定の基準に合致する患者に事前に対応し,CPAに至るのを防ぐためのシステムが普及している。このようなシステムを,院内急変対応システムRapid Response System(RRS)と呼ぶ。このRRSのために組織するチームのうち,医師を中心として急変患者の診療,初期治療にあたるチームを, Medical Emergency Team(MET)1,2)と呼び,医師以外の看護師などを中心としたチームを,Rapid Response Team(RRT)と呼ぶ。
日本でも,最近になってRRSの重要性が認知されはじめ,いくつかの施設で導入が計画されている。
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