扉
世界平和のカギ
金子 光
pp.1
発行日 1962年4月15日
Published Date 1962/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911594
- 有料閲覧
- 文献概要
第16回国際連合総会における日本政府代表の方々の報告会が1月中旬東京で開かれたのに出席して考えさせられたことです。現在,国連に加入している国は,今回新しく参加した5力国を加えて104カ国になります。最近はアジア・アフリカ方面のいわゆる有色人国が長い間の植民地の立場から脱却して独立し,次々と国連に加入していつています。そこで昨今は国連会議の出席の顔ぶれも大分変わつてきたといわれていますが,それがむしろ当然で,それでこそ国連の真の姿になるものではないでしようか。
日本政府の国連における立場や活やくについては従来,正直にいつてあまり活ぱつであつたとはいえなかつたようです。ところが今回の第16回総会においては,日本は実に目立つて活やくしたし,他の多くの国々の認識を高めさせたということを,関係者は口をそろえていつておられます。報告会で代表の一人の方は「私は第11回総会から毎年出席していますが,今回は本当にしんが疲れました」と述懐しておられることからも推察できます。
Copyright © 1962, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.