徹底分析シリーズ 素朴な疑問―これにて26件落着!
21件目―プロタミンの投与量はどのように決定するか
小坂 誠
1
KOSAKA, Makoto
1
1昭和大学横浜市北部病院 麻酔科
pp.350-351
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101196
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
●ACTによる効果判定
プロタミンはヘパリンを中和する目的で投与される。その投与量を決めるには,活性凝固時間activated coagulation(clotting)time(ACT)を利用する。ヘパリンの中和にはヘパリン投与前のACTが重要で,術前にヘパリンが投与されていた症例や,血液凝固能に問題がある症例では必須とされる。ACTによるプロタミンの効果判定には,対照となる正常な血液凝固因子と血小板が必要である。ヘパリン投与前のアンチトロンビン(AT)-Ⅲが70%以下の場合はAT-Ⅲ製剤による補充が必要である。
ヘパリンを投与するのは,低用量100U/kgを用いる腹部大動脈瘤手術,オフポンプ冠動脈バイパス術off-pump coronary artery bypass(OPCAB),高用量300U/kgが必要な人工心肺での冠動脈バイパス術,弁置換・形成手術,胸部大動脈瘤手術などである。
Copyright © 2011, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.