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■私が利用する私鉄の駅にはホームが三つあり,それぞれに上り・下りのエスカレーターが2基ずつ設置されています。朝,わりと早めに駅に着き列車を待っていると,ちょうど私が立つ位置がエスカレーターに近いこともあり,注意をうながす警告アナウンスがうるさいくらいに聞こえます。それは,「○○駅改札口ゆき上りエスカレーターです」と,まず自己紹介から始まります(さすがに「私は」とは言っておりません)。「たいへん危険ですので,駆け上がったり,駆け下りたりしないでください」と続きます。(これから上がろうという人が“駆け下りる”とは,一体何を想定しているのでしょうか。)一呼吸おいて,注意は続きます。「危険防止のため急停止することがありますので,ご注意ください」「ご利用の際には手すりにつかまり,黄色い線の内側にお乗りください」「乗り降りの際には足下にご注意ください」と。で,今度は二呼吸分間があり,同じ注意が繰り返されます。
まあ,どれも重要なことばかりで,こうした事を無視することが思わぬ事故につながるのだ,ということは理解できます。が,同じ文句が,同じ声で,同じ抑揚で無限に繰り返されると,せっかくの注意喚起であっても,今静かに列車を待つ身には,もはや雑音にしか聞こえてこなくなります。そのうえ,上りホームとはいえ,早朝で,まだ人は少なく,この時期,寒さも加わり,駅構内にはほとんど音がありません。それだけに,エスカレーターの声が響きます。また,同じ声が遠くからも聞こえてくるので注意してみると,向こう側の2つのホームにあるエスカレーターの警告。そちらにはまだ人はいないのですが,そんなことにはお構いなしに,エスカレーターは動き,アナウンスはこちら側とまったく同じ声で「上りエスカレーターです」としゃべっているのです。改札が何時から始まるか知りませんが,上り一番列車が5時8分,下りが5時10分とありますから,5時前にはエスカレーターは動いているのではないかと思います。で,動き始めたと同時に女性の声でアナウンスが始まるのでしょう。実にお節介きわまりないのですが…。
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