--------------------
from LISA
pp.397
発行日 2009年4月1日
Published Date 2009/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100641
- 販売していません
- 文献概要
■ひょんなことから,第2回兵庫低侵襲モニタリング研究会に参加することになりました。この会の主催者がエドワーズライフサイエンス社であり,テーマが「血行動態モニタリングにおけるFloTracセンサー/PreSepカテーテルの役割」とあることからわかるように,メーカー主催の自社製品紹介キャンペーン,と思いきや,どうしてどうして一筋縄ではいかない症例検討会になっていたのは,進行役司会者の“疑問”のたまもの。その面白さは,いずれ本誌で再現させていただくことにして,その場にいた者として一言感想を述べるなら,この症例検討会,あたかも『ソクラテスの弁明』のような面白さ。
デルフォイの神託でアテネ一番の知者とされたソクラテス,彼は素直にそのことを受け入れるのではなく,その神託を疑い,それを確かめるために世に知恵者といわれる人たちを訪ね歩き,行き着いた先が無知の知。そんなことを思い出させたのは,FloTracセンサーに使用されるアルゴリズム,このブラックボックスへ出される疑問。便利だから使おうという全面肯定からではなく,このアルゴリズムを「うさんくさい」とするところからの出発。実際の使用例からこのアルゴリズムの正体を帰納的に推論していくさまは,まさにプラトンの対話編。アルゴリズムを理解することで,モニターに使われるのではなく,モニターを使っていこうとする姿勢。次のような話を聞いただけに,なおさらそう思えるのです。
Copyright © 2009, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.