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■日本麻酔科学会は,周術期医療に携わるすべての医療者が恊働する“周術期管理チーム”を提案しています。このプロジェクトリーダの落合亮一氏はそのブログ(http://perioperative-team-project.blogspot.com/)で「日本麻酔科学会が提唱する“周術期管理チーム”は,現在,手術室で働く,あるいは手術医療に関わる全ての医療者が“チーム医療”を提供できることを目的としています」と言います。で,そのチーム医療とは,「効率的な作業分担と同義のように取られがちですが,分担した作業の内容をお互いにきちんと理解して初めて成立」するもの。「周術期管理チームとは,現在,共に働いている私たちが,お互いに深い理解のもとに“チーム”を形成すること」にあります。したがってここでは,今話題のassistant nurseやnurse practitionerといった,より高度な専門職を視野に入れているのではありません。「周術期に関連する全ての方の知識レベルを向上することが当面の課題」であり,「周術期に関連した全ての方が,知識を共有することでお互いにダブルチェックが可能となり,安全性が担保される,というのがゴール」である,とあります。
柔道や剣道に己の「道」を求めそれを極めることをよしとしてきた日本人は,サッカー,ラグビーに慣れ親しんできた欧米人に比べ,チームプレーはあまり得意ではないのかもしれません。確かに,それぞれが個々に行う行為についての理解や訓練は当然のこと。しかしそれ以上に,ほかの人が何をしているのかを知ること,理解することがチームプレイに必要不可欠であることは,サッカー,ラグビー等々,チームで行うスポーツ,それも一流のチームを見れば一目瞭然。医療の現場も同じことが言えるのではないでしょうか。
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