特集 伝達物質と受容体
1.アミノ酸
抑制性
GABA受容体モジュレーター部位としてのベンゾジアゼピン受容体
相良 英憲
1
,
荒木 博陽
2
Hidenori Sagara
1
,
Hiroaki Araki
2
1松山大学薬学部医薬情報解析学研究室
2愛媛大学医学部附属病院薬剤部
pp.390-391
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100886
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ベンゾジアゼピン(BZ)受容体とは薬理学的な概念としての用語であり,一つの蛋白分子として細胞膜上に独立して存在するわけではない。すなわち,BZ受容体はGABAA受容体に存在するBZ結合部位である。この部位にBZあるいはBZ誘導体が作用するとGABAA受容体の活性が変化し,GABAA受容体にGABAが結合した時に起こるCl-イオンチャネルの開口によるGABA誘発電流を増大させ,神経細胞でのGABAによる抑制性作用が増強される。従って,GABAA受容体に対してBZはアロステリック調節作用のみを持ち,BZ単独では細胞応答に影響を与えるわけではない。BZ受容体のサブタイプ分類は複雑で,その機能分類も十分に解明されていないが,近年GABAA受容体サブタイプについての詳細な検討が進み,それに伴いBZ受容体の機能も次第に明らかになってきた。
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