連載 Pharmacognomyへの招待
今月の薬はN-{2-[(8S)-1,6,7,8-Tetrahydro-2H-indeno[5,4-b]furan-8-yl]ethyl}propanamide
中木 敏夫
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1帝京大学医学部 薬理学講座
pp.926
発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101031
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- 文献概要
今月は,メラトニン受容体作動薬のN-{2-[(8S)-1,6,7,8-Tetrahydro-2H-indeno[5,4-b]furan-8-yl]ethyl}propanamideを取り上げる。
まず目に付くのはindeno[5,4-b]furanである。これは2種類の環状構造が一辺を共有することを示している。一つの環状構造はindenoであり,他はfuran(図1a)である。indenoはindane(図1b)由来である。furanのb辺とindaneの5,4の間の辺がこの向きに共有している故,indeno[5,4-b]furanは図1cのようになる。この新たに形成された3環構造の各原子に番号を振ると,図1dのようになる。1,6,7,8-Tetrahydroは,1,6,7,8位が飽和していることを示している。この8位がエチル基の2位と結合している(図1e)。以上の構造がpropanamide(図1f)の窒素原子を介して結合している。以上をまとめると,元の構造式は図1gのようになる。
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