連載 Pharmacognomyへの招待
(+)-(S)-methyl2-(2-chlorophenyl)-2-(4,5,6,7-tetrahydrothieno[3,2-c]pyridin-5-yl)acetate monosulfate
中木 敏夫
1
1帝京大学医学部 薬理学講座
pp.528
発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100135
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今月は(+)-(S)-methyl2-(2-chlorophenyl)-2-(4,5,6,7-tetrahydrothieno[3,2-c]pyridin-5-yl)acetate monosulfateを取り上げる。
構造式の中心部分は4,5,6,7-tetrahydrothieno[3,2-c]pyridin-5-ylであろう。4,5,6,7-はtetrahydroの位置を示している。thieno[3,2-c]pyridinは,二つの環状構造が1辺を共有していることがわかり,一つの環状構造はthienoであり,もう一つはpyridin(図1a)である。thienoはthiophen(図1b)である。[3,2-c]はthiophenの3位と2位の間の辺がpyridinのc辺と共有していることを示すから,図1cのようになる。複素環の番号の振り方は,SのほうがNよりも上位であるのでSを1位として番号を振る(図1d)。この4,5,6,7位が飽和しているから図1eのようになる。ここまでで4,5,6,7-tetrahydrothieno[3,2-c]pyridinがわかった。
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