徹底分析シリーズ 遺伝子多型と麻酔
遺伝子多型と鎮痛:SNP解析から鎮痛薬効果の個人差について何がわかるのか?
猪股 伸一
1
INOMATA, Shinichi
1
1筑波大学大学院人間総合科学研究科 麻酔蘇生学
pp.744-749
発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100992
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20世紀半ばにDNAの2重らせん構造がWatsonとCrickによって発見され,生体の理解はマクロからミクロへ変化してきた。近年はさらに「ゲノム型genotype」という単なる文字列情報の研究から,実際の臨床ではどうかということで「表現型phenotype」という生体情報の解析・把握に研究は進んでいる。
ヒトの生体内で働く遺伝子の塩基配列には0.1%の個人差があるとされてる。1000文字当たり「1文字の差異」(これを一塩基多型,SNPという)を持つとすると,両親から1組ずつのゲノムを受け継ぐ細胞1個にでさえ600万文字相当の個人差が存在することになる。
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