特集 副鼻腔炎診療は変わったか?
副鼻腔炎病態の変遷
遺伝的要因―一塩基多型(SNP)
中山 次久
1
Tsuguhisa Nakayama
1
1獨協医科大学耳鼻咽喉・頭頸部外科
キーワード:
副鼻腔炎
,
遺伝的要因
,
一塩基バリアント
,
一塩基多型
,
ゲノムワイド関連解析
Keyword:
副鼻腔炎
,
遺伝的要因
,
一塩基バリアント
,
一塩基多型
,
ゲノムワイド関連解析
pp.123-126
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000454
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はじめに
慢性副鼻腔炎は,遺伝要因と環境要因が複雑に関係して引き起こされる多因子疾患である。スギ花粉症に代表されるアレルギー性鼻炎は,環境要因の変化による影響が大きいが,慢性副鼻腔炎においても,細菌・真菌・ウイルス・タバコ煙などの外来抗原刺激が環境要因として病態に関与する。外界に接し,常に外来抗原による刺激を受ける続ける鼻副鼻腔粘膜上皮細胞には,速やかな生体防御として自然免疫機構が備わっており,外来抗原に対する初期応答を担いながら,その後の獲得免疫応答の活性化に寄与する。一方,遺伝要因は,これらの外来抗原への応答性への個体間差に関与する1)。
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