ミニ特集 心臓再同期療法
成人におけるCRT-D植込み術の麻酔
大島 正行
1
OSHIMA, Masayuki
1
1圭春会小張総合病院 麻酔科
pp.704-707
発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100982
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心臓再同期療法Cardiac Resynchronization Therapy(CRT)の適応は,QRS幅>130msec, 左室駆出率<0.35, NYHAⅢまたはⅣの心不全,薬物抵抗性であり,さらに除細動器植え込みの適応があれば両室ペーシング機能付き植込み型除細動器Cardiac Resynchronization Therapy with Defibrillator(CRT-D)植込み術を行うことになる1)。
心不全合併患者に対して手術または麻酔が与える影響については,心不全患者が手術を受けると周術期死亡率が高いことから,明らかな心不全のある患者に対して予定手術を行うべきでない2),とされる。また,非心臓手術を受ける心不全合併患者の予後に対して検討した研究では,心不全を合併している患者では心不全がない患者と比べて手術死亡率が1.63倍に増える3)。CRT-D植込み術の麻酔では,心不全を合併している患者に麻酔を施行することになるので,細心の注意が必要である。
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