ミニ特集 心臓再同期療法
小児におけるCRT植込み術の実際
日下 裕介
1
,
吉谷 健司
1
KUSAKA, Yusuke
1
,
YOSHITANI, Kenji
1
1国立循環器病研究センター 麻酔科
pp.708-711
発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100983
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成人における心臓再同期療法除細動器Cardiac Resynchronization Therapy defibrillator(CRT-D)の植め込みは,拡張型心筋症,肥大型心筋症,虚血性心筋症などの心不全患者で,左脚ブロックのある患者では有効性が確立されつつある。心臓移植までのつなぎの治療法としても認知されてきており,慢性心不全患者にとってCRT-Dは有効な治療法になりつつある1,2)。一方,小児においても,拡張型心筋症や肥大型心筋症の心不全患者に対して,試験的に心臓再同期療法(CRT)が試みられるようになってきた。
小児の場合,心筋症に加えて,先天性心疾患の根治術後の心不全に対しても最近はCRTを行っている。血行動態としては根治されていても,単心室や修正大血管転位など,解剖学的右室で体循環をカバーする場合は,徐々に心不全症状が進行するケースがある。そういった症例ではCRTに期待がけられている。欧米では日本よりもCRTの導入が早かったため,すでに多くの症例でCRTが行われている。今回は,われわれの施設で小児にCRTを行った症例を,欧米の報告と比較しながら検討してみた。
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