徹底分析シリーズ 緊急輸血:予期しない,あるいは予想を超えた出血
危機的出血への対応ガイドライン
稲田 英一
1
INADA, Eiichi
1
1順天堂大学医学部 麻酔科学・ペインクリニック講座
pp.612-616
発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100965
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生命を脅かすような危機的出血は,手術1万症例当たり4例程度で発生する。危機的出血が発生した場合は,死亡や永久的脳障害など,予後がきわめて不良となる。日本麻酔科学会と日本輸血・細胞治療学会が2007年に作成した『危機的出血への対応ガイドライン』では,危機的出血発生時の麻酔科医や外科医,コメディカルなどの対応について簡潔に示されている。コマンダーを置くこと,現場と輸血部や血液センターがチームとなり一体となった対応をすること,救命を最優先した輸血療法の実施,交差適合血が間に合わない場合の型適合血や異型適合血の使用や注意点などについて述べている。『危機的出血への対応ガイドライン』を参考に,それぞれの施設に合ったガイドラインを作成し,シミュレーションを行うことが推奨される。
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