連載 FOCUS
「産科危機的出血への対応ガイドライン」活用法
久保 隆彦
1
1国立成育医療研究センター周産期センター産科
pp.484-488
発行日 2012年5月10日
Published Date 2012/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103059
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緒言
海外ではbloody businessといわれる輸血がつきものの産科医療は,筆者が行った全国調査でも約300人の妊娠・分娩に1人で生命にかかわる緊急大量出血をきたす.しかし,そのことを一般国民はほとんど知らない.このような産科危機的出血の際に適切な輸血療法を実施しなければ,簡単に母体死亡に直結する.しかし,平成17年に厚生労働省から通知された「輸血療法の実施に関する指針」(改訂版)および「血液製剤の使用指針」(改訂版)では産科出血については言及されておらず,しかも産科出血の特徴も考慮されていない.輸血を支える医療従事者は産科領域の輸血について十分な知識をもつ必要がある.
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