今月の臨床 産科大出血に慌てない!!
「産科危機的出血への対応ガイドライン」の有用性と限界
関 博之
1
1埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センター
pp.254-259
発行日 2016年4月10日
Published Date 2016/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208627
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●妊婦は循環血液量が増加しているため,産科出血に対する適応力が大きいが,そのことが逆にショック症状をマスクし,ショック症状の発現が遅れ,いったん発症すると急激に悪化するという特徴がある.
●産科大量出血には弛緩出血や軟産道裂傷を原因とする希釈性凝固障害と常位胎盤早期剝離や羊水塞栓症などによる消費性凝固障害という病態が存在し,輸血療法,特に凝固因子の補充は病態を十分に勘案して行う必要がある.
●輸血開始のタイミングや輸血量を予想するための最も優れたマーカーは,血中fibrinogen濃度である.
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