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from LISA
pp.923
発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100760
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- 文献概要
■ちょっとしたエジプトブームなのかと思わせるような,NHKスペシャル「エジプト発掘」。それに続く「海のエジプト展」と,海底発掘にまつわるTBSドキュメンタリー「謎と神秘の古代ロマン:海のエジプト大発掘!!クレオパトラ海底宮殿を世紀の大発見」。展示でいえばもう一つ,「トリノ・エジプト展」。こちらは,「世界屈指のコレクション,日本初上陸!門外不出のツタンカーメン,上野で公開中」とあります。古代文明といえばさらにもう一つ,「インカ帝国のルーツ 黄金の都シカン」。この発掘も,TBSがかなり前から取り上げていました。今回はその成果の中間発表なのでしょう。ということで,この夏はちょっとした古代文明ブーム(?)。さぞ中高生で会場はごった返しているのではないか,と想像しております。
そこに展示された石像や黄金のマスクに興味はなくはありませんが,それ以上に興味をそそるのは発掘に至るまでの過程。混雑の展示会場より,ついTVのドキュメント番組を優先させてしまいます。「謎と神秘の古代ロマン」では,アレキサンドリア,日常生活をおくる今日の港,その足下にクレオパトラ時代の王宮が眠っていた。それまでどうして気づかれなかったのか,というという驚き。これまで,航空考古学に比らべてあまり学問的でないなと思っていた海洋考古学ですが,少しばかり考えを改めました。古代の文献を元に,最新技術を駆使して海底を探る。問診と病歴聴取,それに最新の検査,というのに似いるかもしれません。今回の発見を成し遂げた海洋探検家フランク・ゴディオの渾名は“海のインディ・ジョーンズ”。一昔前なら,“21世紀のシュリーマン”だろうなと思うのは,年代のせいでしょう。
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