徹底分析シリーズ LMA・声門上器具
ラリンジアルマスクは麻酔管理をこう変えた
浅井 隆
1
Takashi ASAI
1
1関西医科大学 麻酔科学講座
pp.694-698
発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100708
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「気道確保法で最も画期的な概念」,「気道確保困難な症例でのレスキュー器具として重要」,「麻酔科領域において,過去数十年で最も重要な発明」。
これまでラリンジアルマスク(LMATM)に対してなされてきた賞賛の一部である。現在,欧米やアジア諸国では,気管挿管と同頻度あるいはそれ以上の頻度でLMAが使用されている。
わが国では,全身麻酔中にできるだけLMAを使う麻酔科医がいる一方,ほとんど使ったことがない人もいる,という二元化が起きているのが現状である。麻酔科領域の器具のなかで,その役割がこれほど人によって違っているのは珍しい。わが国でこのような二元化が起こった理由はいろいろ考えられるが,エビデンスにもとづく医学の見地からは,少なくともLMA賛成派,反対派ともに,LMAを過大あるいは過小評価してきたからだ,と言えよう。
本稿ではLMAが気道確保の変遷にどう影響してきたかを検証し,今後の課題を考えることにより,LMAの役割,そして将来の気道確保のあり方について考える。
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